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病院内での雷保護は、非常に重要な課題です。病院には高機能で高価な医療機器が多数設置されており、雷害による損失は甚大となります。特に、人命に直結する医療機器が損傷した場合、治療が中断されるリスクがあるため、病院施設では徹底した雷保護対策が求められるのです。ここでは、病院における雷保護の必要性や方法、実際の導入事例について詳しく解説します。
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Zenken
落雷対策調査チーム
1975年に語学教育事業をスタートさせ、現在ではITコンサルティング事業をはじめ各種事業を幅広く展開。今回は新IoT時代を生き抜くための落雷対策について、豊富な導入実績を誇る株式会社落雷抑制システムズの松本社長に施設ごとの落雷対策について伺いました。
病院では、高価な医療機器が多数稼働しており、雷害がこれらの機器に与える影響は甚大です。例えば、人工透析機やMRI装置などの医療機器が雷害を受けると、修理や交換までの期間中、診療や治療が行えなくなり、人命に関わる重大なリスクが生じます。実際に中規模な病院で、医療機器や空調設備、火災報知機、PCなどに被害が発生し、数百万円の損害が出た事例もあります。大規模な病院であれば、その損害はさらに大きくなる可能性が高いです。
このようなリスクを軽減するためには、病院設備の雷保護は極めて重要です。雷保護対策は、機器の配線状況や接地(アース)状況に大きく依存します。特に、重要な医療機器には雷保護装置(SPD)を設置し、保護することが推奨されます。また、JIS T1022「病院電気設備の安全基準」に基づいた医用接地方式を採用することで、雷害による被害を最小限に抑えることができるでしょう。
「新IoT時代」に必要な
雷を呼び込まない落雷対策落雷抑制システムズの公式HPを見る
病院における雷保護は、外部雷保護と内部雷保護の二つに分けられます。
外部雷保護は、受雷部、引下げ導体、接地極で構成され、建物全体を雷から守ることを目的としています。JIS A4201に基づき、病院の規模や重要度に応じて、適切な保護レベルを選定する必要があります。
内部雷保護は、病院内のエレクトロニクス機器を雷サージから守ることが目的です。雷サージは、雷が落ちた際に発生する過電圧が配線を通じて機器に伝わり、機器を破壊する可能性があります。これを防ぐために、SPD(サージ保護装置)を設置し、雷サージが機器に直接影響を及ぼさないようにすることが重要です。また、病院では、医療機器の信頼性を確保するために、EMC接地も不可欠。これは、機器の誤動作を防ぐための無雑音接地(クリーン接地)や等電位接地を含みます。
病院に雷が落ちるリスクは、施設の立地、建物の高さ、周囲の環境、使用している電気機器の種類や数、配線の状況など、さまざまな要因によって異なります。このリスクを理解し、適切な対策を講じることは、病院の安全性を確保する上で非常に重要です。
病院の建物は、他の建物よりも高いことが多く、そのため雷が落ちやすい傾向があります。特に高層の病院や、周囲に高い建物が少ない場合は、雷の直撃を受けるリスクが増加します。また、山岳地帯や平野部など、雷が頻発する地域に立地する病院では、雷のリスクがさらに高まります。
病院には多くの高感度な医療機器が稼働しており、これらの機器は雷による電磁インパルス(LEMP)や雷サージに対して非常に脆弱です。雷が直接建物に落ちなくても、近隣に落雷があった場合でも、雷サージによって電気系統がダメージを受け、医療機器が故障する可能性があります。
病院の電気配線が適切に接地されていない場合、雷サージが病院内に侵入し、電気機器に直接ダメージを与えるリスクがあります。特に、古い建物や増改築が繰り返された病院では、接地や配線の状況が複雑であり、雷サージに対する耐性が低い可能性があります。
雷による電気的な影響で、医療機器が故障すると、治療が中断されるリスクがあります。人工呼吸器、人工透析機、心電図モニタなど、生命維持に関わる機器が故障した場合、患者の命に直結する危険が生じます。また、電子カルテや病院内のネットワークシステムがダウンすると、医療記録の閲覧や共有ができなくなり、迅速な治療が困難になります。
雷サージにより、サーバーやコンピュータが損傷すると、患者のデータが消失する可能性があります。このような場合、バックアップが取られていないと、復旧が困難になり、病院業務に大きな混乱をもたらします。特に、放射線画像や検査データなどの重要な情報が失われると、再検査や治療の遅れが発生します。
雷が建物に直接落ちた場合、火災が発生するリスクもあります。特に、電気系統が古い建物では、雷によって火花が発生し、火災が広がる危険性が高まります。病院で火災が発生すると、患者の避難が遅れるリスクがあり、重大な人的被害が生じる可能性があります。
病院に必要な雷保護システムと
その設置例

PDCE避雷針は、建物に雷を誘導するのではなく、雷が建物に落ちるリスク自体を抑制する設計になっています。これにより、病院施設への直撃雷のリスクが大幅に低減され、建物や内部の機器が雷による損傷を受ける可能性を減らすことができます。さらに、従来の避雷針に比べ、PDCE避雷針はメンテナンスの頻度が少なくて済む場合があります。これは、PDCE避雷針が雷の誘導を抑える設計であるため、物理的な損傷が発生しにくく、長期的に安定した性能を発揮するためです。結果として、メンテナンスコストの削減にもつながるでしょう。
Examples
「PDCE避雷針」の設置例
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