火災保険では、落雷による損害も補償範囲に含まれています。会社によってそれぞれ内容に差はありますが、落雷によって起こる火災の損害だけでなく、過電流によるテレビやパソコンの補償も含まれているのが一般的です。
ただし、これは保険の対象として「建物と家財」を選んでいたときに有効なもの。建物か家財、どちらかしか選択しなかった場合は、補償される範囲が狭まります。建物に含まれるのは「建物がある敷地内に設置されていて、かつ保有しているもの」。建物はもちろん、床暖房やエアコン、トイレ、システムキッチンなど建物の中にあって動かせないものが対象です。一方、家財に含まれるのが建物の敷地内に収容されているもの。テレビやパソコンといった電化製品や、タンスや棚といった家具が対象になります。
火災保険の中でも、家財を補償する契約部分を家財保険と呼んでいます。テレビやパソコン、冷蔵庫、洋服、テーブルなどが補償対象です。火災保険によって、補償対象範囲別にコースが分かれていたり、オプション・特約として家財補償をつけられるものなど様々あります。落雷による被害は少ないと考えがちですが、損害保険料率算出機構が公表している「火災保険・地震保険の概況(2022年度)」の火災保険 住宅物件事故種別支払統計表によると、2020年度の「火災、破裂・爆発」による保険金の支払い件数は7,762件、対して落雷による保険金の支払い件数は36,947件。火災等の被害よりも件数が多いことがわかります。PCを利用しているオフィスでは、もしものために家財保険にも加入しておきましょう。
参考:損害保険料率算出機構(https://www.giroj.or.jp/publication/outline_k/)未加入での大きなリスクは、建物が落雷や火災の被害にあった際、現状回復にかかる全ての費用が自己負担になることです。これは隣のオフィスからもらい火をして火災になった時も、変わりません。建物が損壊した場合、その額は数千万円以上にのぼることも。高額な電子機器を利用しているオフィスでは、被害額がさらに甚大になるでしょう。日本では毎年多くの落雷・火災被害が発生しています。自分たちが被害にあう確率も、決して低いとは言えません。もしもの時のために、火災保険で備えるようにしましょう。
賃貸物件を契約する際や住宅ローンを組む際は、火災保険に加入することが条件になることも多くあります。条件の良い物件を利用できないこともあるので、オフィスの契約をする際は火災保険の加入も考えて準備を進めましょう。