避雷針には保護角と呼ばれる規格が定められており、さらに安全に電気を地中に誘導するために60m基準が設定されています。ここでは、避雷針の保護角についてをはじめ、60m基準が設定されている理由や60mを超える建物の雷対策などについて解説します。
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保護角とは雷から人や建物を守るために定められている規格で、建物によって適切な保護角が異なります。保護角は角度が大きければ大きいほど広範囲を保護できるのが特徴。建物の高さと保護レベルに応じて、保護角が決定します。
避雷針の60m基準とは、避雷針の保護効率が定めた建物の高さを意味する基準です。60m基準が設定されている理由は、避雷針の保護角の限界値が60mのため。建物が高くなるにつれ保護角が鋭くなり、保護できる範囲が狭くなってしまいます。保護角の限界値である60mを超えると、建物の側面に落雷する危険性があり、電気を地中へ安全に誘導しきれない可能性があるのです。
避雷針を設置して安全に電気を地中へと誘導するには、建物の高さを60m以下に留める必要があります。
建築基準法では、建物の高さが20mを超える場合は避雷針の設置が必要です。ただし、19.9m以下の建物であっても、煙突や屋上広告、アンテナなどの設置で20mを超える場合は避雷針を設置し、落雷対策を行わなければいけません。
高さが60mを超える建物は、側壁表面の突出物や縁、出隅部に落雷する確率が高くなります。そのため、構造物の高さの上部20%の部分に受電部の設置が必要です。特に人命にかかわるバルコニーや展望台などを守るように設置することが大切です。
これまでは雷対策といえば保護角法・メッシュ法が主流でしたが、最近では回転球体法が雷対策の基本となっています。回転球体法は建物を包み込む大きな球体が建物の外部にあることを想定し、その球体が動いたときに触れる部分が落雷の被害を受けやすいと判断するシステムです。従来よりも盤石な落雷対策が行えることもあり、さまざまな建物に適用されています。
メッシュ法は、建物をシート状のメッシュ導体で覆い、受電させることで建物を雷から保護する対策法です。建物の一部がメッシュ導体からはみ出す場合は、保護角法などの対策と併用することがあります。メッシュ法は保護レベルによって適切な幅が制定されているため、保護レベルを確認したうえで施工するようにしましょう。