サージアブソーバとは、雷や静電気放電、スイッチングなどで発生する過電圧(サージ電圧)から機器を保護する装置です。サージ電圧は電源線や通信線から電子機器に侵入し、絶縁破壊・破損を起こす厄介な現象。雷によって起こるサージ電圧の影響範囲は、落雷地点から数kmにまで及ぶと言われています。雷の侵入経路となる電源線、通信・信号線、アンテナ、接地線などにサージアブソーバを取り付けることで、機器を保護できます。
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サージ電圧を吸収して主回路から切り離すのが、サージアブソーバの役割です。高電圧に対してだけ抵抗が低くなったり、異常電圧時だけ抵抗器へ電流を流すなどの仕組みで、回路に異常電圧が侵入するのを防ぎます。半導体や放電管、コイル、抵抗など構成要素によっていくつか種類があり、細かな仕組みや原理は種類によっても異なります。
サージアソーバはサージ電圧が発生した際の動作によって、クランピング型とスイッチング型の大きく2種類に分けられます。
クランピング型は、サージ電圧に対して「電圧を一定に保つ」動きをするサージアブソーバのこと。バリスタやツェナーダイオード、アバランシェブレークダウンダイオードなどが該当します。通常時は高抵抗を示しながら、規定以上の電圧が流れた際に抵抗が低くなり電流を流すことでサージ電圧を抑えるのがこのタイプの特徴。応答速度が速く、続流の発生もないのが利点です。ただし、耐量を大幅に上回る電圧がかかった際は、焼損・ショートの恐れがあります。
スイッチング型は、サージ電圧に対して「電圧を大幅に低下させる」動きをするのが特徴です。ガス入り放電管、サイリスタ形サージ防護素子などが該当します。サージ電圧が加わると電極間でアーク放電が起こり、抵抗が低くなることで流れる電流が増加。これにより電圧が制限されます。
単純な構造で、繰り返しかかる電圧にも安定して利用できるのが利点です。電極間の静電容量も小さく、高周波回路での損失も少なく済みます。しかし、放電現象を用いるため、サージ電圧がかかってから放電するまでに少しの時間を要するのが欠点。電源のように常時電圧がかかっている箇所に使用すると、サージ電圧が消滅しても電源電圧によって放電が継続してしまう可能性があります。
サージアブソーバは、サージ対策をしたい電源線・通信線・信号線に設置して使用します。スイッチング電源のサージ対策ならEMCフィルタ前に、LED照明であればインターフェイスやESDアレイにといった具合。サージ電圧は線間と対地間の両方で発生するため、各箇所への設置が必要です。ただし、販売されているサージアブソーバの種類は様々あり、それぞれで特徴が異なります。利点・欠点を理解し、設置個所に合わせた選択・接続が大切です。