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瞬停と瞬低

このページでは、電力が瞬間的に停電(瞬停)したり、瞬間的に電圧が低下(瞬低)したりする原因や、それぞれの仕組みについて解説しています。雷対策や落雷被害の予防を考える上で、瞬停と瞬低の違いをきちんと把握しておきましょう。

瞬停(瞬断)とは

瞬停とは、ごく短時間に発生する瞬間的な停電であり、「瞬断」や「短時間停電」と呼ばれることもある現象です。通常の停電と瞬停を分ける基準は電力会社によって異なりますが、一般的には1分未満の停電状態を「瞬停」と呼ばれているようです。

なお、短時間停電は日本産業規格(JIS)において「1分を超えない供給電圧の停止」とされており、瞬停・瞬断・短時間停電は基本的には同じような状態として考えられています。

瞬低とは

瞬低とは、ごく短時間に発生する「瞬時電圧低下」であり、瞬間的に電圧が低下する現象を意味しています。日本産業規格では「電圧ディップ」と呼ばれており、電力供給システムが存在している地点において発生するもの現象です。ごく短時間だけ発生して再び正常に復帰する突発的な電圧低下として考えられています。

瞬低と瞬停について、対策を考えるためにも違いを理解しておきましょう。

瞬停と瞬低は違う現象

瞬停は瞬間的な停電であり、その間は電力供給がゼロになっています。対して、瞬停は瞬間的な電圧低下であり、電力供給システムとして異常な状態であるものの電力供給そのものはゼロになっていません。

瞬停と瞬低が発生した場合の影響

瞬停や瞬低は仕組みに違いがあるだけでなく、発生する場所やそこにある電気機器などによっても影響に違いが生じます。

会社・オフィス

会社や事業所のオフィスではパソコンやOA機器、その他にも様々な家電や電化製品が活用されており、また季節によってはエアコンで多くの電力が消費されています。

瞬停が発生すると、デスクトップPCであればシャットダウンされ、データが消失したり機器が破損したりといった問題が懸念されます。また瞬低であったとしても、動作に必要な電圧を下回れば瞬停と同様に機器が停止したり、もしくは電源は落ちなくても正常な動作を維持できなくなったりします。

工場

工場といって業種や専門性によって多種多様な施設があり、そこで使われている機械も職人の手作業を助けるものからオートメーション化されているシステムまで様々です。

工場で瞬停や瞬低が起きると、稼働している機械が急停止してラインが停止します。一般的に工業用機械や産業用ロボットなどには停電時や電圧低下時の安全装置が組み込まれていますが、古い機器を使っている工場や現場では深刻な事故が発生する恐れもあるでしょう。

病院

病院ではエアコンや照明といった電化製品の他にも、人の生命維持を支える重要な医療機器が数多く使われているため、大規模な病院では自家発電システムを備えています。しかし、停電や電圧低下が発生してから自家発電システムへ切り替わる・電力供給が再開されるまでにはタイムラグがあり、瞬停・瞬低であっても状況によっては患者の生命にかかわる事態につながる危険性をはらんでいます。

商業施設

商業施設の場合、各店舗やテナントで利用している機器の他にも照明装置や空調機器、通信機器、またエレベーター・エスカレーターといった装置や機器が使用されています。

特にエスカレーターほか大勢の人が同時に利用する場面では、急停止により慣性の法則が働き、人が転倒したりドミノ倒しになって大事故につながったりした事故が報道されることもありました。

鉄道

大量の電力供給によってモーターを稼働させて走行している鉄道の場合、すでに走行中であれば瞬停や瞬低が起きても即座に乗客が気づくことはないかも知れません。しかし状況によっては通信機器や各種装置に不具合が生じて事故につながるリスクもあります。

瞬停・瞬低のメカニズム

瞬停や瞬低のメカニズムを理解するには、まず発電所から電力を使用する場所までの電気の流れについて把握しておかなければなりません。

日本の場合、発電所で生み出された電気は2回線で各所へ送電されており、仮に1回線が何らかの事情で断絶されても、もう1本の送電線が残っていれば電力の供給が再開されます。

しかし、1本の送電線だけで異常が発生した場合でも、イレギュラーな事態が生じることで一時的に電圧が大きく下がったり、結果的に瞬停や瞬低といった状況を引き起こしたりします。

瞬低・瞬停の原因

電力会社から供給される電力に原因がある場合

発電所や電力会社などで発生する電力トラブルの原因は、雷であることがほとんどです。雷が送電線に落ちた場合は瞬停が発生しやすくなります。そのほかには地震や土砂崩れなどで発電所自体が破壊されるのも原因で、自然の脅威が電力の安定供給に大きく影響しています。

供給電源が安定していても発生する場合

発電所や電力会社からの電力供給が安定していても、落雷や火災などで送電線が断絶したり、何らかの原因によって中継点に不具合が生じたりした場合、必然的に瞬停や瞬低、停電が引き起こされます。

台風・暴風による飛来物が送電線を切断するケースは多く、風雨がおさまるまで物理的な修理は不可能です。

工場ほか大量の電力を使用する事業者だと、一時的な電力負荷が原因で瞬停を起こすケースもあります。

瞬低・瞬停の対策

現実的に、日常で発生する瞬停・瞬低の多くは落雷や原因とされており、瞬低・瞬低の対策を考える際はそのまま雷対策の一環として考えるのがポイントです。

瞬停や瞬低は事業所や建物へ直接に落雷があった場合だけでなく、近隣に落雷が起きた場合でも発生する可能性はあり。そのため避雷針ほか避雷設備だけで完全に防ぐのは困難であり、仮に瞬停・瞬低が生じても機器を安全に停止できるだけの時間的・電気的余裕を確保できるよう、蓄電装置を備えた瞬停対策装置などの導入が効果的といえます。

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