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避雷針はどのような仕組みで雷から建物を守ってくれるのでしょうか。避雷針の歴史や問題点と併せて調査してみました。
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Zenken
落雷対策調査チーム
1975年に語学教育事業をスタートさせ、現在ではITコンサル事業をはじめ各種事業を幅広く展開。今回は新IoT時代を生き抜くための落雷対策について、豊富な導入実績を誇る落雷抑制システムズの松本社長にお話しを伺いました。
避雷針が発明されたのは、1752年のこと。米国の政治家であり科学者でもある、ベンジャミンフランクリンによって発明されました。当時はまだ電気が発明されていない時代で、照明といえば菜種油や鯨の油を用いたオイルランプです。その後、エジソンが電気を発明し、1878年から電気が実用化されるようになりました。
つまり、現在使用している避雷針も含め、発明された当時の避雷針は、まだ世の中に電気が使われていなかった時代に生まれたものなのです。現代では各家庭で使用している電化製品はもちろん、あらゆるものが情報ネットワークによってつながるようになりました。時代背景の違いを考えると、当時開発された避雷針をそのまま使うことは、安全性や有効性の面で果たして適切といえるのでしょうか。
避雷針は、針から放電することによって、あえて雷の標的になるように仕向け、安全に雷を地面に流すことを目的としています。尖ったものから放電しやすいという原理を利用するには、針の形状をしていることが効率的です。空中に留まった電荷を早めに引き寄せることで、人や木など被害の大きい箇所への落雷を避けるという狙いがあります。
雷をあえて引き寄せる仕組みとなっている従来の避雷針は、「避ける」ではなく「被る」の字を当てた「被雷針」が正しい解釈ともいえます。落雷によって雷電流が安全に地面に流れてくれれば問題ないのですが、雷は雨に濡れた建物の表面や地面も伝わるため、小さな被害では済まないことが問題です。
特に電化製品をはじめ、パソコンや制御システムなどさまざまなものがICT化された現代においては、落雷によって大きな被害が発生する可能性が高くなります。IoT時代において、雷をあえて呼ぶメリットは昔に比べ少なくなりました。今後はどうすれば落雷の被害を小さく抑えられるのでしょうか。
「新IoT時代」に必要な
雷を呼び込まない落雷対策落雷抑制システムズの公式HPを見る
株式会社
落雷抑制システムズ
松本敏男 社⻑
公共施設、電力施設、スポーツ施設、宗教施設、⼯場、鉄道/道路 、ビル/マンション、商業施設と様々な施設に3300台以上のPDCE避雷針を導⼊(2022年4月時点)。従来の雷を呼び込む避雷針とは異なり、「雷を落とさない」本質的な雷対策を提唱している。
避雷針への落雷が起きると、地面や建物の表面に安全に電流が流れるため、建物や人体への影響は少なくて済みます。しかし、雷電流が通るのは建物の構造部分である鉄骨等の枠組みであり、その枠組みを並走する電気の動力線やその他の配線に影響が及ぶことが問題です。建物は守れても、内部設備や電子機器を守ることは難しいのです。
例えば、ビルならパソコン、監視カメラ、エレベーターなどの故障原因となります。業務に大きな支障をきたしたり、多大な修繕コストがかかったりと、被害が大きくなりやすいというデメリットがあります。
通常の避雷針は、針の先から放電することで雷を引き寄せることを目的としたものです。どこに落ちるかわからないよりかは、避雷針を設置した場所にピンポイントに雷が落ちてくれたほうが安全、という考え方に基づいています。一方、弊社のPDCE避雷針はそもそも雷を寄せ付けない設計のため、雷を落とすことを目的としていません。
雷雲の下のほうにはマイナス電荷が流れているため、同じマイナス電荷を発することで、反発して雷を遠ざける仕組みになっています。雷は自然現象のため100%落ちないわけではありませんが、従来の避雷針とは逆の発想であることが大きな違いです。
避雷針の仕組みと
新・IoT時代に求められる避雷針について
通常の避雷針は、建物の高い部分に突起物を設置し、そこから放電することであえて雷を呼ぶためのものです。雷を安全に落とすことで建物の被害を最小限に抑えることが目的です。しかし、パソコンなどの電子機器をはじめ、多くのものが情報ネットワークによってつながった現代においては、この考え方は時代に合わないと捉えることができます。
避雷針の発明がまだ電気が発明されていなかった時代であることを考えると、有効性に疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。IoT時代において、落雷は大きなリスクです。落雷を避けるには、PDCEを設置するのも一つの方法といえるでしょう。PDCEはすでに大手鉄道会社をはじめ、3000台以上の導入実績があります(2022年4月調査時点)。
オフィスビル、工場、発電所、スポーツ施設、宗教施設、船舶、学校などさまざまな建物に実績があるため、興味のある方はぜひ公式HPもチェックしてみてください。
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